2012年10月6日土曜日

未来を(ざっくり)予測してみる

先日紹介した「ワークシフト」ですが、そこには2025年という比較的近い未来について、いろいろな予測をしています。
この本を読んで私もいろいろ勉強になったし、自分が思っている以上に世の中は変わるかもしれない、という気になってきました。
そこで、もう少しスコープを狭くして2020年頃の日本ってどんな感じなのか、「ワークシフト」を参考に自分でも考えてみます。

まず悲観的なことから挙げていくと、国や自治体の財政破綻が現実的なものになっていくのではないかと思います。
私は経済については門外漢なので、その結果円がどうなるとかは分りませんが、少なくとも破綻手前になれば支出を減らさざるを得ないため、国や自治体のサービスはどんどん悪くなっていくのではないでしょうか。

あと先日、台風で停電になったのですが、今年になって2回目です。
ここに住んでから3回目。正直言って、確実に電力の環境は悪くなっているように思います。今、日本では電力会社は原発を動かしたくても動かせず、火力発電を増やすため石油の輸入が増えていて、それが電力会社の収支を悪化させています。
反原発運動から電力会社もだんだんと力が衰えてくるような気がします。結果的に起こるのは電気インフラの品質低下です。もっとありていに言えば、停電の頻発や電力の不安定さなどが起きるかもしれません。

今日本のいくつかの電機メーカーは大変厳しい状況にありますが、それは益々拡がっていくでしょう。リスクを恐れて新しいことが出来ない体質がすっかり染み付いてしまっています。いろいろな市場で外国勢が強くなり、少なくとも電機製品の多くは日本製で無くなっていくのではないでしょうか。
また、自動車も電気自動車が主流になって、IT化が進めば、外国の新興自動車会社が一定のプレゼンスを持ち、やや過当気味の日本車メーカーのいくつかは厳しい状況に追い込まれると思います。

街には失業者が増え、犯罪が増えていっても警察も十分に取り締まることが不可能になります。こういった状況は、今まで日本ではお目にかかれなかった、暴動のような現象を起こすきっかけになるのではないかと思います。
こういった治安の悪化は経済にも悪影響を与えます。これまでの安全な日本では想像できないような治安の悪い社会にだんだん移行していくような気がします。


良いことは無いのでしょうか?
一つあるとすれば、IT化、クラウド化が進むことによって、ネット環境が充実するということ。それに伴い、あらゆるサービスはクラウドに移行していくでしょう。
サービスが向上し、ネットさえ使えれば便利な世の中になっていくと思います。また、こういったサービスを提供するビジネスが経済を支えることになるかもしれません。

経済が悪くなりお金をあまり使わなくなれば、モノを買うということも減っていきます。
これは、使いたいときだけに借りる方が合理的だという考えに繋がっていきます。個人は自分が所有するようなモノは持たなくなり、周辺の人と必要なものをシェアするという考え方です。
もちろん、モノを買わないようになれば、それを売っている人たちにとってはモノが売れなくなり厳しい状況になります。つまり、諸刃の刃ではあります。

上で言った良いことは、実は旧来の大企業にとってはあまり良いことではありません。
クラウド化はデータがオープンなら非常にメリットがあるのですが、企業のように閉ざされた環境で使おうとするとセキュリティの問題などがあり途端に面倒なものになります。今や一般のサービスより社内のシステムの方が遅れていたり、使いづらいものだったりします。
こういったことを考えると、大企業という仕組み自体が時代遅れになるのではないでしょうか。すぐに無くなるわけではありませんが、少しずつ有名な大企業が規模を縮小したり、分解されたりするようなことが起きていくと思います。

全体的に言うと、社会は悪くなる感じはするのですが、世の中は常に変化していくのであり、ある社会が良くなったり悪くなったりするのは世界の歴史を考えてみても当然のことです。
しかし、個人の観点で言えば人によって幸せの内容は個別であり、必ずしもみんなが不幸になるというわけではありません。
むしろ、個人を縛っていた集団の圧力が減って、能力のある個人が生き生きと活躍できるような社会になっていくような気がするのです。


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