2011年11月17日木曜日

テレビが大進化する

ジョブスが死ぬ前に、すでに新しいテレビの構想があったなどとまことしやかに語られています。
また、Googleもテレビを変えようと画策していたり、最近ではソニーも新しいテレビのあり方を構想中だとか。
新しいテレビとかいうと、3Dとか高精細とか、そういうハードウェアのことしか思い浮かばない人も多いと思いますが、上のハイテク企業で言われていることは、そのような画面の性能や機能のことではないことは今や明らかです。

というわけで、私なりに新しいテレビのあり方とはどんなものか、勝手に考えてみましょう。
まず、今テレビを使っていて不満なことは何でしょう?
何と言っても面倒な操作です。確かにチャンネルを選んでテレビを見るだけならそれほど大変ではありません。
しかし、今どきほとんどの人はHDレコーダーを繋げているだろうし、人によってはデッキを2台繋げていたり、DVDプレーヤーが繋がれていたり。あるいは家庭用ゲーム機がHDMIに繋がっているかもしれません。
何かをやるにも、テレビのリモコンで「入力切替」を行い、今度は切り替えた先のリモコンに持ち替えて、その機械の操作を行う必要があります。
しかし、そんなことはここ十数年当たり前のことだったし、それぞれ別のメーカーだったら仕方ないじゃないか、などと思考を止めてはいけません。

なぜなら、これからはさらにパソコンを接続して、YouTubeの動画投稿サイトをみたり、ネットで映画をレンタルしたり、といった形でネットを利用した新サービスがたくさん出て来るでしょうし、それによってさらに操作は煩雑になることが予想されるからです。
このような状態で、今のようなリモコン操作の延長では面倒で仕方がありません。
そして、恐らくApple, Google, Sony その他の意欲あるハイテク企業が狙っているのは、画像表示のハブ的デバイスを作ることです。それはテレビそのものであっても良いし、テレビに接続する何らかのデバイスでも構わないでしょう。
重要なことは、そのデバイスが単体で売れることではなく、ネット上のサービス、コンテンツまで含めたエコシステム、あるいはプラットフォームを作った者がこの競争を制するということです。

では、具体的にどのようなものになるか考えてみましょう。
「入力切替」はもはやテレビのリモコンでは行いません。「入力切替」という概念は、テレビの後ろの入力配線のどれを選ぶかというハードウェアを意識した言葉です。しかし、それはユーザーの望むものでは無いはずです。
まずお客さんは、テレビ放送か、DVDか、動画配信か、ネットのレンタル映画か、あるいはケーブルテレビ用の放送か、これを簡単に選択できれば良いわけです。
例えば、新しいリモコンはMacの MagicPad みたいなタッチインタフェースになっていて、左右にスワイプすると階層を簡単に行き来できるようにします。まずテレビの電源を入れると、上記の映像の種類を上下のスワイプで選んで、左にスワイプすると、次にチャンネルや画像一覧などが現れる、といったインタフェースを作れば、今より操作はかなり楽になると思います。
チャンネルを選ぶのも、YouTubeみたいに小画面が12個に分割されて見えていて、その中から選べばチャンネルを数字で覚える必要もありません。(ケーブルテレビではすでにありますね)

そのような感じで、統一されたインタフェースで好きな画像を出来るだけ速く選べるようになると、テレビの概念もだんだん変わって来るのではないかと思うのです。
画像用の液晶パネルは益々安くなって、一つの部屋に数枚あるのが普通になれば、テレビは単なるモニターに変わっていくでしょう。
そして、空いているモニターを使って各自が好きなものを見るような、そんな時代に変わっていくのかもしれません。さらにカメラなどを取り付けてインタラクティブになっていけば、同じ画面で会議をやることも、英会話のレッスンを受けることも、楽器のレッスンを受けることも出来るようになるでしょう。
そしてその頃には、20世紀型の今のテレビというものは、もはや時代の遺物にしか見えなくなることでしょう。

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