久しぶりに寝る間も惜しんで読みたいほどの面白い本。
上下二巻、計900ページの長編で、本も分厚く、購入直後はちょっとひるみましたが、読み始めるとほんとに止まらない。まさに帯に書いてあるとおりの「ノンストップ人生劇場」「ジェットコースター王朝絵巻」を堪能しました。
琉球王朝の最後の時代(明治維新前後)の王宮が舞台。女子禁制の政治の場に宦官と偽り、入り込んだ女性、真鶴の生涯が描かれます。
何がすごいって、次から次へと起こる事件や出来事の数々。これだけの長編小説であるにも関わらず、すごいテンポで事が進みます。いくら王宮という陰謀や嫉妬渦巻く場所とはいえ、これだけのことを本当に一人の人間が体験するのは不可能といえるくらい。これらの事件にドキドキハラハラしながら、ページをめくる指が止まりません。
話の設定だけ聞くと重厚なストーリーを想像するかもしれませんが、文体は非常に軽く、表現方法も今風。どちらかというとアニメ的なキャラ萌え小説と言えるかも。
この小説の特設ページがあるのですが、これを見ると、この小説の雰囲気がわかってもらえるかと思います。
何しろ面白い。史実をベースにしながらも、自由なファンタジーとして読むことができます。あるいは、大人の童話とでも言いましょうか。
大人の童話というからにはエロも手加減の無い残酷さもありますが、それ以上に知識欲を刺激させてくれる小説でもあります。沖縄という場所がこのような微妙な歴史を持っていた、というのはこの本を読んで始めて知りました。
ラストはそれほど大仰ではなかったけれど、なんだかとても泣けたのでした。
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