2008年6月21日土曜日

プロコフィエフ ピアノ協奏曲第2番/ユンディ・リ&小澤征爾&ベルリンフィル

Yundiちょっと前にNHK BSでやっていた小澤征爾とユンディ・リの番組を見て、とても面白かったので買ってみました。
若手ピアニストとして注目されているユンディ・リの激しくも繊細な演奏も心動かされたのだけど(中国ではアイドル並みの人気だとか)、それよりもプロコ好きであるにも関わらず、ピアノ協奏曲第2番って実は聴いたことなくてその音源が欲しかったというのが主目的。

プロコフィエフがピアノ協奏曲第2番を作曲したのは、22才のとき。その前衛的な響きに当時はほとんど理解は得られませんでした。その後、この楽譜はロシア革命の混乱の中で失われてしまい、約10年後にプロコフィエフが記憶を元に新たに復元改定。もちろん、現在残っているものはその復元版です。

聞いて思ったのは、何しろ全編プロコ印で溢れていて、これぞプロコフィエフという楽想の連続。確かに他の協奏曲と比べて旋律のキャッチーさが無いので、それほど一般的には有名ではないのかもしれないけど、プロコフィエフの鋭角的な旋律や不思議な和音感覚が好みなら、この曲はおおはまりすると思います。
恐らく、10年後に書き直したっていうのも、実は良い方向に向かっているように思います。もっとも、20代前半でこんな曲を書いたこと自体、とんでもないことですけど(私的には)。

プロコの何がいいって、私にとってはクラシックというよりロック的というか、もっと音楽の持つ原始的な激しさのようなものがたくさん詰まっていること。ある意味、貴族的とか、サロン的とか、教養的とかそういう世界と対極にある価値観なのかも。
時代が変わっても失わない反骨心のようなものが背景にあって、冷静な攻撃性というか、奇形に対する偏執的な愛情というか、そういう要素をふんだんに持っているのです。
もう一つは曲全体のメカニカルな雰囲気。こういう硬質な音楽が好きなんですね、私は。ぐにょぐにょにテンポを揺らす演歌的価値観の対極でもあります。

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