2008年1月26日土曜日

著作権、そしてアマとプロ

著作権と言えば、今ホットなのは保護期間延長問題。
今、日本の著作権の保護期間は50年なのだけど、実は欧米のほとんどの国々は70年となっており、それらと歩調を合わせようと政府が検討を始めたあたりから、大きな議論が沸きあがっています。
もちろん、ただ歩調を合わせるために変えよう、というのもおかしな話で、本来著作権は誰がどのような利益を得るためのものなのか、そういう本質的なことが問われています。
そういった議論を聞くにつれ、私としては保護期間の延長にどうもいい印象を持たないのが正直な気持ちなのです。既得権益を手放したくないお役所や、企業の論理と似ています。文化を個人視点で無く、社会全般の利益という視点で見れば、保護期間は短いほうが明らかに良いように私には思えます。

実際、財産としての著作権は、創作家がプロであるか、アマであるか(あるいは無名か、有名か)、それによって随分見方が変わるのではないかという気がしています。
アマなら、少しでも露出を多くして人々の目(耳)に触れてもらいたいと考えるでしょう。お金が儲かるより、名が広まるほうが重要だからです。だから、タダでもいいから流通させたいと思うのです。
ところが、プロの視点になるとちょっと変わります。
ある程度、芸術の世界で飯が食えるほどの立場なら、自らの作品が安く見られることに抵抗を感じるようになるのだと思います。作品の使用に対価が伴えば、少なくとも経済的な価値は認められたことになります。現実に収入が増えることを期待するわけでなくても、金銭的対価が作品の芸術的価値と見なせるのなら、やはりきっちりとした対価を期待したいのでしょう。

しかしプロがプロでいられるのは然るべき市場があっての話。
前回書いたようにCDや本が売れない今、市場自体が崩壊気味で、もはやプロが成り立つ前提さえも崩れつつあるような気がします。
そのときにアマに十分力さえあれば、いつしか力関係は逆転していくのではないか、そんな気がちょっとし始めているのです。プロが声高に著作権を主張すればするほど、アマの出番が増えていくのではないか、と。
そんなわけで自分のことでいうのなら、地道ながらPD合唱曲や、自作曲のYouTubeへのアップなど、自ら発信していく方法を模索しているところなのです。

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