2007年3月27日火曜日

クラシックは素晴らしいけど

音楽理論の多くがクラシック音楽から発祥しているのは確かな事実。そういう意味で、クラシック音楽は学術的にも、芸術としても非常に価値が高いものです。
しかし、その一方、芸術というのは常に時代を反映するものであり、世の中をどのように切り取って提示するのか、ということがその本質だと思うのです。同時代性を抜きにして創作活動は語れません。
小説も映画も演劇も、そして美術も舞踏も、全て今を意識しながら新しいものが生まれ続けているはずです。例えば、何百年も前に書かれた小説を読んで感動することは可能だし、そこから得られるものは多いのだけど、小説はそれだけではなく、今現在、新しい価値観や視点を我々に提示しようと、今を生きる小説家たちは日夜頑張っています。
時代が芸術を生む一方で、芸術が時代のマインドを生んでいく、その連鎖が文化を形作っていきます。
要するに、時代はどんどん変わっていくのです。その先端に居たいと思うか、その流れに背を向けようとするかは、それぞれ個人の趣味の問題ではあるのだけど、私には一般的にクラシック音楽ファンというのが、やや後ろ向きな人々に感じられてしまったりします。
クラシック音楽の芸術的価値に疑問をはさむつもりはないのです。数世紀を超えて残った音楽はやはり素晴らしい。だからこそ、その素晴らしさを理解したうえで、今の時代に合うものが生み出されるべきでしょう。

1 件のコメント:

  1. あまがえる2009年5月5日 1:30

    同感。
    さんざん過去の作品を聞きまくっても新しい作品を聞きたいと思わないところが不思議。
    趣向は人それぞれなのだとしても、あまりに過去の作品ばかりに囚われ過ぎではないのか?

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