2006年9月23日土曜日

韓国映画二つ

先週、映画館で初めて韓国映画を見ました。「グエムル」っていう映画です。
突然、グエムルという怪獣が人々を襲い、主人公はさらわれた自分の娘を助けにグエムルと対決する、という内容。グエムルの描写はむちゃくちゃリアルでスゴイ。もちろんCGなのだろうけど、まるでほんとにいるような臨場感があり、人々を襲うシーンはとても良く出来ていました。
しかし、正直言ってちょっとこの映画、焦点の定まらない、奇妙な内容でした。もちろん韓国人じゃないと分からない、という場面もあるのかもしれません。しかし、笑うべきシーンなのか、泣くべきシーンなのか、それさえ分からないようなヘンテコなところもあるし、米軍の扱いとか、賄賂の横行とか、貧困問題とか、そういう社会問題が何のひねりも無く挿入されている感じで、伝えたいことが空回りしています。
とある雑誌には、このようなシュールな設定をすることで、社会の矛盾をあぶりだそうとした、などという監督の言葉があり、確かにその考え方はとても共感するのだけど、残念ながら、そこであぶりだされた物は監督の意図したものとは違うものだったような気がします。本当はカフカの「変身」みたいな感じにしたかったんでしょうかね。

うーん、やはり韓国映画ってそんなものなのかなあ、と思っていたとき、同じく韓国映画「イルマーレ」を家で鑑賞。これ、妻がBSで放映していたのを録画したものでした。内容は時を超えて文通を始めた二人の、ちょっと不思議な恋愛ファンタジー。
この映画はとても素晴らしい。映像も美しいし、ストーリーのアイデアも面白い。それに、そのストーリーが脚本やカメラワークの上手さでとても良く引き立っています。全体的にファンタジック、あるいは寓話的で、リアルな社会問題など一切無いのも私にとっては高得点。
全体的に、事件でどんどんストーリーを動かしていくようなハリウッドタイプの映画でなく、とつとつと静かに時が流れるヨーロッパ的な匂いのする映画でした。かなりシブめですが、これはマジでお薦め。
ちなみに、今週末からハリウッドリメイク版のイルマーレが封切られますね。主人公はキアヌ・リーブス。こちらも見てみたいです。

韓国映画といっても一括りにはやはりできません。グエムルは韓国でヒットしたと聞きましたが、イイものとヒットするものが違うっていうのは、これは世界中どこでも、どんなジャンルでもあることですしね。

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