2005年10月20日木曜日

指揮者視点で歌う~音量

音量バランスというのは、どんな音楽ジャンルであっても、最も大事なものであり、音楽をやる者なら誰でも苦労していることの一つです。レコーディングの場でも、最後にミックスダウンという作業があって、ここで各パートの音量バランスを丁寧に調整して、一つの音楽にしていくわけです。PAを使ったコンサートでも、専門のPA担当者が本番中にも慎重に音量調整やイコライジングを行っています。
これがナマのアンサンブル音楽の場合、つねに演奏者が自身の演奏状況を把握し、フィードバックをかけ、音量調整をしなければなりません。しかし、レコーディングやPAのプロの世界に比べると、それは何とも心もとないように思えます。

実際、人数が増えて大編成になってくると、もはや演奏者には全体の音響を把握しづらくなり、一人一人の調整では効かなくなってきます。ここで指揮者の指示が必要なわけです。指揮者が練習やリハーサルを通して、音量の指示を出したなら、当たり前のことだけど演奏者は忠実に守らなければいけません。
演奏者は常に、自分の耳に聞こえる音と、聴衆に聞こえる音が違うことを意識しなければならないし、その違いを指揮者の指示を通して、理解する努力が要ります。これも指揮者視点で歌うことの一つではないでしょうか。

そうはいっても、音量バランスは繊細で難しい問題。指揮者視点といっても、実際に音を聞けるわけではないから、頭の中で想像するしかないのですが、今度はその想像力の質が問われることになってしまいます……

2 件のコメント:

  1. むずかしいですよね~。私は「管弦楽の中の鍵盤楽器」「通奏低音」という、比較的レアなポジションにいるのですが、物理的な位置は指揮者から隨分遠く、多くの場合、ステージの端にいます。また、「通奏低音鍵盤」は、本来、チェロバスと同じパートの筈なのですが、チェロバスと離れた位置に座ることも多い。こうなると困るのが発音(合唱の場合は、発声)のタイミングです。
    音量バランスは、オルガンの場合、「ストップの交替」という手段で実現することになるのですが、これまた経験不足の私には予測がききません。練習後に他の人に「私の音、どうだった?」と聞き倒すことも珍しくない。

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  2. ストップでしか音量変更ないなら、例えば、指揮者が「4feet入れて」とか、指示してくれればいいのかなと、素人としては思うのですがいかがでしょう。
    確かに良く考えれば、合唱よりもオーケストラのほうが切実なのかなあ。だいたい大編成になるし。
    合唱よりも、自分の楽器の音が大きく聞こえそうな気がします。

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