そもそもIoTという言葉の前にはユビキタスとかいう言葉もあったし、言いたいことはほぼ同じなわけで、それだけ一般性が高く、確実に未来に浸透するであろう技術だと私にも思えます。
そういう意味ではクラウドと同じ。今やクラウドは当たり前。セキュリティーがー、とか言っていた人も今では無批判にクラウドを使っています。
数年もすれば、IoT当たり前な世の中になっているでしょう。
◆
といいつつも、IoTが当たり前の世の中とは一体どんな世の中でしょう。
個別の小さなサービスでは、こうなるとは言えても、そういったサービスによる小さな改善がつもりつもったとき、社会がどれほど大きな変革を遂げるか、私には想像も付きません。
また、法律や社会システムがIT, IoTサービスについて行けず、いずれこういう問題が技術イシューではなく政治イシューになっていく可能性は大いにあります。
恐らくその折には、数学的、論理的に当たり前のことを、理屈を知らない政治家が喧々諤々と議論するというかなり間抜けなシチュエーションが生まれるかもしれません。
◆
そもそもIoTが政治そのものに与える影響は無視できなくなるのではないでしょうか。
例えば、住民投票をするのにさえ莫大な政治活動が必要なのに、重大な政治的アンケートもかなりの母集団で短期間で簡単に出来るようになったらどうでしょう?
あるいは政治家ごとの支持率がまるで株価のように日々変化する様子を確認できるようになったり、有権者の日々の行動と彼らが支持するであろう政治家とマッチングしたり、彼らに簡単に寄付できるような仕組みができたらどうでしょう?
政治そのものでなくても、議論の間じゅうIoT的に数分レベルで何らかの情報を集める仕組みを作れば、議論が非常に効率的に済むというようなことができたら嬉しいですね。
◆
自分の興味の対象として、音楽活動とIoTって何か考えられないでしょうか。
楽器を使うシチュエーションを考えたとき、バンドやオーケストラでアンサンブルするだけではなく、家で一人で演奏を楽しむということも多いと思います。
というか、むしろ圧倒的多数の人が、人にも聴かせず、一人で家で楽器演奏しているのではないでしょうか。
彼らは今まで一人で家で演奏してそれで終わりでした。
でも、これをIoT的に繋げてみるとどんなことが可能でしょう。
例えば、いつ頃、何時間楽器を演奏したか、といった情報を集めることを考えてみましょう。もしかしたら世界のどこかで、自分と同じ曲を練習している人がいるか探せるかもしれません。
演奏のレベルを解析すれば、サーバー側で同じレベルのもの同士をマッチングすることも可能です。実際、演奏の現場では、演奏レベルの違う人たちが一緒に活動すると悲劇が起きることが多いのです。上手いもの同士、初心者同士が結びつく仕組みは(それと知られない程度に)うまく作ってあるとお互いに幸せです。
逆に演奏レベルの違いの情報をベースに、もっと簡易な楽器のレッスン、演奏アドバイスみたいな非対称な出会いの場を提供することも考えられます。
◆
楽器演奏だけでもいろいろ考えられるのだから、他のいろいろな活動についてもいくらでもIoTのアイデアはありますね。
そう考えると、本当にこれから10年くらい世の中の変化はかなり大きなものになるのではないかと思えます。(相変わらず、無駄に壮大な予測ですが)
0 件のコメント:
コメントを投稿