今回はさらにこの趣味層の気持ちについて考えてみようと思います。
というのは、これは私の息子を見ていて思い付いたのですが、楽器を弾きたいということは、音楽鑑賞の一つの形態だと考えられるのではないかと感じたからです。
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これまで音楽を聴くこととと楽器を演奏することは、行動としては全く別のものなので、漠然とその心持ちは違うものと思っていたのです。
ところが、息子の行動パターンを見ていると、「音楽を何度も聴く」→「その曲を歌う」→「その曲の伴奏があると一緒に歌いたくなる」→「楽器を弾いているのを見て、その旋律を弾きたくなる」という流れがごく自然なものに思えてきました。
つまり楽器演奏の入り口は音楽鑑賞と続きの関係にあるのではないかと考えられるのです。
音楽鑑賞から自らが音楽を生み出すまでの流れを図にしてみました。
ある音楽が気に入ったとき、その人はその音楽を何度も聴くと思います。
何度も聴いているうちにその音楽を口ずさむようになります。
もし、幸いなことにその人の周辺に楽器があり、弾きたくなるような環境にあるのなら、その楽器でメロディを奏でたくなると思います。
メロディを楽器で弾くことによって、音楽は頭の中で(演奏情報として)コード化され、音楽の再現性が飛躍的に高まります。
このような経験を重ねることで、気に入った音楽を何度も自分で反芻できることの喜びを感じ、その結果メロディはより強固にその人の心に刻まれることになることでしょう。
また、楽器演奏を重ねることによって、体系的にでなくても、その音楽に潜む気持ちの良さ、あるいはその音楽の特徴をつかむきっかけに繋がります。
3拍子とか4拍子とか、リズムの種類とか、転調とか、変化音とか、こういうことを感覚的に覚えていくわけです。
このようなことを理解できた人は、それを自分のさらなる演奏向上に結びつけようとしたり、それを応用してオリジナルな世界を追究しようとするのではないでしょうか。
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楽器演奏の趣味層の入り口は、気に入った音楽のメロディを楽器でなぞることにある、というのが今のところの私の結論。
もし、そうであるとすると、入り口では単旋律のメロディを弾けることが重要と意識することによって、楽器入門のあり方がもっとクリアになってくるような気がしてきました。
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