ネット時代になって、私は社会がむしろ古い時代に戻っていくような気がしているのです。
今は多くの商品が大量生産、大量消費されています。同じものが工場で大量に作られ、世界に向けて発送されます。食べ物も、衣服も、家具も、電機製品も私たちは店で大量生産されたものを買っています。
IT技術のおかげで、モノでなくてもいいものの価値は一気に変わってしまいました。例えばレコードやビデオは、YouTubeなどの出現で誰もがタダで見れるものに変わってしまい、タダでなければ見てくれない、というような状況になりつつあります。
そろそろ電子書籍が本格普及を始め、これからは本もデジタルなら格安になるでしょうし、タダの書籍も増えていくことでしょう。
では、モノはどうなるのか。
その昔、大量生産や流通のインフラが整っていない時代は、自分のいる町で必要なモノを買っていたと思います。それらの商品はやはりその町で誰かが作ったもので、大量に生産されたようなモノではなく、一つ一つ手作業で作っていたはずです。
そしてこれからの時代は、また昔と同じように一つ一つ誰かが手作業で作ったものをオーダーメイドで買うようになるのではないかと私は思うのです。
もちろん、大量生産品が無くなるわけではありません。安かろう悪かろう的商品として大量生産品は今後とも残るでしょう。
また、誰かが一つ一つ手作業で作ったモノといっても、昔と将来とでは人々が購入する理由が違います。昔は単にそれしか無かっただけです。しかし将来は、既製品で満足出来ない人が、ある程度高い品質や自分の要望を満たしてくれるようなオーダーメイド品を買うようになるのです。
そもそも買う人の満足感を究極的に求めるなら、大量生産品では無く、その人に合わせて要望通りにモノが作られることが理想的です。
メーカーズムーブメントがこれから本格的に立ち上がってくれば、このように顧客の要望をダイレクトに聞いて、それに基づいてオーダーメイドで商品を作るというようなサービスがだんだん増えてくるような気がします。
それは、衣服とか家具だけでなく、ラジカセ、テレビ、エアコン、冷蔵庫のような大型電機製品までそうなる可能性があります。私は車でさえ、オーダーメイドが出来るようになるのではと思っています。
例えば、本棚を買うことを考えてみましょう。
自分が本棚を置きたいと思っている場所はすでに決まっているわけですが、自分が置きたい場所にぴったりのサイズの本棚を既成品から探すのは至難の技です。色合いやデザインまで含めると、自分の理想のものを手に入れることはほとんど無理でしょう。
これがオーダーメイドならどうでしょうか。
もちろん、家にまで来てくれてサイズを計ってくれたら嬉しいですが、そうでなくても自分が本棚を置きたい場所の写真を撮って,色やデザインについての要望をネットで送れば、見積もりと完成予想図を送ってくれるようになっていたらどうでしょう。
これで自分の好みに合えば、その通りに発注すれば良いわけです。これらの作業はほぼネットだけで完結することが可能です。
いくら高級な本棚であったとしても、自分の部屋に納まらなければ誰も買いません。
家具こそ、まずは全てオーダーメイドであるべきです。そして、一つ一つ単品でオーダーしても十分な安さで販売出来るのなら、これは商売として成り立つと思うのです。
電機製品にしても、様々な部品が入手可能になれば、それらを組み合わせて一つの商品を作り上げることは可能になると思われます。そうすれば、オーダーメイドで電機製品を作ることだってそんなに難しくなくなるのではないでしょうか。
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