12月にアクト大ホールで行われた二つのコンサートの備忘録。
●12/17 鼓童 十二月公演2008
鼓童は私が現在追いかけてるアーティストの一つ。一般的イメージとしては、ふんどし一丁の男が大太鼓を力強く叩くマッチョなパフォーマンスという印象があると思います。確かに、それも最後の見所としてちゃんと演目にもあるわけですが、彼らの守備範囲は実はもっと広いんです。
今回も、太鼓を中心とした打楽器だけでなく、笛、琴、胡弓、そして歌、と古来の伝統的な楽器を駆使した幻想的で懐かしさ溢れる音楽が展開されました。
恐らく彼らのパフォーマンスを見て、そのアンサンブル力や演奏技術だけを礼賛するのは、一面しか見ていない見方だと思います。
彼らの演奏からオリジナリティとか、アイデンティティといったレベルのアーティスティックな一面を非常に重視していることがわかります。常に才能のある団員がオリジナル曲を作曲、披露し、音楽だけでなく、所作やステージングの端々までにこだわりを持って一つの舞台空間を作っています。
まさにプロの仕事。アマチュア音楽家はどうしても技術的な面だけをフォーカスしがちですが、最後に人の心を揺さぶるのは芸術としてのトータルな個性、姿勢だということを、あらためて実感したのです。
●12/24 上原ひろみ ビヨンド・スタンダード日本ツアー
同じく私の追いかけているアーティストの上原ひろみ。
今年は先行予約のほぼ初日にチケットを取ったせいか、前から6列目でかぶりつき状態。もちろん、期待に違わぬ素晴らしいコンサートだったのですが、かなり前の席だったこともあり、むしろいつもより4人のバンド演奏を冷静に聴いていたような気がします。
今回は結構アンサンブルの乱れも(というか間違いを)いくつか気がついたり、Nord Electro (上原ひろみが弾くキーボード)故障というハプニングにムッとしている上原ひろみを見られたり。
前半は最新アルバムの曲が中心で、演奏も音数が少なく比較的シブい感じ。いつものノリノリ感が薄いなあと思っていたら、後半に向かって盛り上がっていきました。敢えてそういう展開にしたのかもしれませんが。
後半では、みんなで上原ひろみのお祖父さんの90歳の誕生日を祝ったり(スポットで客席にいるお祖父さんが照らされる)、アンコールでは今、別にツアーをしているタップダンサー熊谷和徳がゲストで登場。思わぬ展開にお得感満点。これも上原ひろみの出身地浜松故のサービスなんでしょうか。
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