アディエマスで有名なあのカール・ジェンキンスがレクイエムと題したアルバムを出しました。ちなみに前作の話題はここ。
アディエマスを聴いていれば分かりますが、このジェンキンス氏は声楽の世界にもいろいろ通じているようです。そんな彼がレクイエムと題したアルバムを出すのも、私には意外には感じませんでした。基本的な楽曲構成はモーツァルトのレクイエムに近い感じ(「インパラディスム」があるけど)。しかし、もちろん中身は純粋なクラシックでは無く、いくつかの面白い仕掛けがあります。
興味深いのは、中に3曲ほど、日本の俳句をテキストとした曲が入っていること。曲自体は、これぞヒーリング、と言わんばかりの内容…スローテンポ、オスティナート音形の繰り返し、それに尺八っぽい音色などなど。
正直言うと、これらの俳句の曲はちょっとばかり首を傾げたくなります。あからさまに日本的なイメージを強調しているにもかかわらず、MIDI打ち込みっぽい尺八の音、ピッチ補正をバリバリにかけたようなコーラスの声(あまりに不自然に均整が取れている)、まるでわざと機械っぽく作っている感じさえしてしまいます・・・でも、まさかそんな深い意味は無いとは思いますが。
全体的には、オーケストラ&合唱サウンドながら、ビートが利いていて、一般ウケしそうな音楽作りなのだけど、いささか安易な部分も見受けられるような気がしました。それでも、ラクリモサの叙情性とか、なかなかイケてる曲もあります。ある意味、カール・ジェンキンスは、クラシックをポピュラーっぽく聴かせる術(ポピュラーをクラシックっぽく?)をよく知っている音楽家なのかもしれません。
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