昨年は映画趣味にますます拍車がかかり、結局23本の映画を鑑賞しました。基本的にはSF・ミステリー・ファンタジー系に傾いていて、このジャンルでまともな作品がなかなか出ない邦画には正直縁が薄い状態です。
さて、今年最初に見た映画は今日封切られた邦画「レイクサイドマーダーケース」。なぜ見ようと思ったかというと・・・、邦画にしてはなかなか渋そうな設定だということ。あとは、20年以上前にファンだった薬師丸ひろ子がどんなになったか興味があったこと。あと、金八先生の鶴見杉田ペアが夫婦役で出るというシャレ(ちょうど私たちが中学生だった頃に流行ったんで妙な感慨があるわけです)というのも見逃せません。杉田かおるの最近の報道のおかげで映画も注目を浴びたか?
ところが、午前中ということもあったのでしょうが、客席はガラガラ。それに、想像以上に内容が渋くて、こりゃーヒットしないだろうなあというのが率直な感想。
でも、まるで心理劇のような登場人物の閉鎖環境での会話のやり取りがものすごくリアル。人間ドラマがとても良く描かれています。この脚本、これまでの邦画にはないリアリティがあります。それを各役者がうまく表現している。あういうタメの入った演技は、恐らく監督の好みなんでしょうね。テレビドラマのような安直さが無くてとても好感を持ちました。
ただ、邦画全体的な特徴として、監督個人の力が強すぎるのか、「売れる」ために必要な作品の客観性がどうも足りないのです。監督の目指す芸術性と、商業的な成功は一致しない場合のほうが多いのは確かです。しかし、芸術家が売れることより自身の信じる芸術性ばかりを強調するのは、常に健全であるとは思いません。現代音楽の状況などにも似ています。
この映画、かなりいいセン言っていますが、一般にもう少しウケる客観性を持ちえるには、もう少し終結感があるはっきりしたエンディングが必要。最後の最後の怪しいシーン、多義的でちょっと売れセン映画としてはいただけません。あと、いくつかの伏線が解決されないまま残っていたりします。
後は見る側が、流行のスターとかドンパチの激しさだけで面白さを評価しないほど成熟するのを待つしかないでしょうね。
初めまして。
返信削除「レイクサイド マーダーケース」で検索かけてやってきました。
実は私も観てきたんです、これ。
個人的には友人に推薦できる秀作だなあと思ったのですが、こちらの記事を読んで「一般にもう少しウケる客観性を持ちえ」てほしいとのご意見になるほどなあ、と思ってしまったわけです。
役者さんたちの演技は素晴らしいんだけど、それだけじゃ受けないのか、と。
最後にも書いてらっしゃいますが「流行のスターとかドンパチの激しさ」を排除して演技とカメラで勝負したところにかえってカタルシスを感じたんですけどね。塾講師役がジャニーズだったりしたら絶対観に行かなかったと思いますもん。
どうもコメントありがとうございます。
返信削除そうか、こうやってトラックバックで情報が繋がって行くわけですね。(過疎ページなので、ちょっと嬉しかった^^;)
いや、仰るとおり、なかなかいい映画だったと思います。私としては、もっと売れセンを狙える題材だと思ったので。
次は、ステップフォードワイフを楽しみにしています。