未来予測というよりは、未来のマインドセットの予測。
例えば、著作権。
今は過剰な権利意識が浸透しすぎて、そもそも著作権が何を守っていたのか、良くわからなくなっている現状。
本来であれば、売れるはずのものがコピーで鑑賞する人が増え、売れなくなってしまうのがI番の問題なのに、自分の著作物にほんの少しでも他人のものが載るだけで、著作権違反などというのはバカバカしいにもほどがある。これが一体、誰の経済的損失を引き起こしているのか?
この傾向はしばらく変わらないとしても、実際のコンテンツ販売の現場がサブスクになり始めたり、恐らく寄付的なものに変わっていくので、クリエータやアーティストは、作品から直接収入を得なくても良くなり、そうなると著作権という概念自体が無くなっていくだろう。
ただ、これにはもう20年は最低かかりそう。
リアルとバーチャル、モノとサービスについて。
会わないと出来ないことがどんどん減っていくはず。少なくとも今は会議は、それなりに出来るようになった。体験もだんだんネットの情報量が増えれば、バーチャルで良くなるものは増える。むしろバーチャルの方が、質の高い体験を得られる。
リアルとバーチャルの違いは、そこからすぐにExit出来るかどうか、なのだと思う。体験の中身というより、そこからすぐに出られる気楽さは、常に人をエンターテインし続ける必要に迫られる。
リアルにそこにいれば、人は簡単にそこから脱することは出来ないから、多少の我慢を強いることができる。だからリアルな体験はこれからも無くならないし、リアルならではの良さは今後、逆にさらに開発されると思う。
そして、PCやスマホがどんどん置き換えていくモノの世界も、モノでなければいけないモノ、PCやスマホアプリで良いモノ、の仕分けが進んでいくだろう。今とは思いもよらぬものが、専用化しまたその逆も起こる。
どちらかというとPCやスマホはどんどんバーチャル化し、SF的なホログラフみたいなものになっていくのかもしれない。ヘッドフォン、マイク、メガネ、指先などがどのようにクラウドに繋がるかは考えてみると面白そう。
いずれにしても、未来のマインドセットは、モノに対する執着がどんどん減っていく。お金持ちになったら、アレが欲しい、コレが欲しい、と思うのは今は普通のことだけれど、おそらく未来はそう考えないだろう。というか、モノを買わないのならお金に執着が無くなってるのかもしれない。
このマインドセットの変化は大きい。
自分の人生の豊かさは、結局のところ自分の能力、スキル、そしてその結果である地位や資格に依存することがどんどん明確になり、ある意味、それは身も蓋もない世界であり、底辺から抜け出す難しさが誰にでも明白である社会であると言える。
SDGsが誰も取り残されない、と言っているけれど、恐らく、分断はどんどん激しくなるのだろう。賢い人は同じ場所にどんどん集まるから、分断のスピードはますます早くなる。
今はそれを避けることが正しいこととされるが、いつの間にか、その分断は正当化されるようになるような気がする。でなければ、人類は進化していくことができないから。
しかし、そのとき我々が獲得するであろうマインドセットは、ちょっと怖いような気もする。