2013年7月6日土曜日

コンピュータ音楽 歴史・テクノロジー・アート

13000円もする本を買ってしまいました!

厚さもすごいし、装丁も結構大きめな本なので相当な存在感です。
もちろん、この本を端から端まで読み切ろうなどということは考えていません。何というか、一種のお守りのようなものだと思っています。きっと困ったときには何か役に立ってくれるかもしれない・・・みたいな。

なので、今回は本を読んだ感想ではなくて、本の目次の紹介です。中身はまだほとんど読んでいません。

まず、この本には何が書いてあるかというと、ざっくり言えばコンピュータを利用して音楽を作るのに必要な知識の一覧と、プログラミングの方法が書かれています。
明らかに大学の教科書になるべき本を目指しており、音楽とデジタル処理に絡む内容を一通り網羅しています。逆に数学的、物理的にあまりに専門的にならないよう配慮している、と序文にはありますが、私には遠慮なく難しいことを書いているようにも見えました。

第一部では、デジタルオーディオとコンピュータ技術の導入部分です。
第1章はデジタルオーディオ、第2章はプログラミングの基本的な話。さすがに私にはどちらもほぼ既知の内容ですが、デジタルオーディオに詳しくない人には(サンプリング定理とか)第1章は大変有益かもしれません。

第二部は、デジタル音合成に焦点を当てています。
第3章はシンセサイザーの基本的な仕組み、第4章はサンプリング、加算合成による波形生成、第5章は多重波形テーブル合成、地表面合成、細粒合成(この辺は聞いたこともない)、そしてフィルターによる減算合成などの話。
第6章はリング変調、FM音源などの変調合成。第7章は物理モデリングとフォルマント合成。第8章は波形セグメント合成、図式合成、確率合成(どれもまるで聞いたことが無い)だそうです。

第三部はサウンドミキシング、フィルタリング、ディレイ効果、残響、音像定位の操作といったテーマ。各章の内容は割愛。

第四部は音の分析を扱います。第12章ではピッチとリズムの検出を、第13章はスペクトルによる音の分析について扱います。

第五部は、音楽家とのインタフェースの話題。
第14章は概論。第15章はコンピュータの各種演奏用ソフトウェアの種類、第16章は音楽用エディタへの入力方法、第17章は音楽用に開発された各種言語についての説明、
第18章はアルゴリズム作曲システムとありますが、作曲援助、あるいは自動作曲の試みのようなものだと思います。そして第19章ではそのアルゴリズム作曲のいろいろな技法を紹介しています。

第六部は、音楽スタジオを自力で作る際の機器類の接続や、各種ツールの基礎知識について書かれています。DSPやMIDIの扱いもここです。

第七部は、音響心理学です。
いわゆる人間の音楽の知覚についての話題です。これはコンピュータが奏でる音楽、と言う文脈ではなく、人間に関する研究にどのようにコンピュータが関わっているか、という意味でこの本の中に書かれているのだと思われます。
いわゆるラウドネス曲線とか、マスキング効果とかの話題が書かれていますが、量はちょっと少なめです。

自分が本全体の中身を理解するために、少しずつページをめくりながら、目次をあさってみました。
正直言うと、私の日頃の業務に直結するような内容ばかりですが、自分がこういった内容に精通しているかというとかなり怪しい部分もありました。
少なくとも技術的な領域でコンピュータによる音楽を人様に啓蒙していこうとする立場に立とうとするのなら、とりあえずこの本を書棚に飾っておくのが最低レベルではないかと思った次第です。

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